2021年の荒茶生産量の伸び率は鈍化
中国の2021年の茶に関する統計データが発表されていますので、その内容をシェアします。
2021年 | 前年比 | |
荒茶生産量 | 306.32万トン | +7.71万トン(+2.6%) |
荒茶総産出額 | 2928.14億元 | +301.56億元(+11.48%) |
主要18省の茶園面積 | 4896.09万畝 | +148.40万畝(+3.13%) |
主要18省の摘採可能茶園面積 | 4374.58万畝 | +228.40万畝(+5.51%) |
過去4年間の荒茶生産量をグラフにすると以下の通りとなります。
先日のブログで掲載したとおり、需給ギャップが大きくなってきていることから、生産量の拡大をやや抑制して行く方向になっています。
その効果がやや見られたのか、昨年より生産量の増加が鈍化していることが見てとれます。
緑茶は6割切り目前、黄茶は減産
続いて、六大茶類の生産比率についても見てみましょう。
生産量(シェア) | 前年比(増減率) | |
緑茶 | 184.94万トン(60.3%) | +0.67万トン(+0.3%) |
紅茶 | 43.45万トン(14.2%) | +3.02万トン(+7.47%) |
黒茶 | 39.68万トン(13.0%) | +2.35万トン(+6.3%) |
烏龍茶 | 28.72万トン(9.4%) | +0.94万トン(+3.38%) |
白茶 | 8.19万トン(2.7%) | +0.84万トン(+11.43%) |
黄茶 | 1.33万トン(0.4%) | -0.12万トン(-8.28%) |
合計 | 306.32万トン | +7.71万トン(+2.6%) |
白茶、紅茶、黒茶の伸びが著しい反面、緑茶の伸びが止まり、シェア6割切りが見えてきました。
そして、ここまで急拡大してきた黄茶は減産に転じています。
緊圧黄茶等の商品開発をしてきましたが、売上は決して芳しくないようですので、そのあたりの影響が出ている可能性もあります。
需給ギャップの解消が最優先か
中国の茶業は、2000年以降、一気に生産量を増加させてきましたが、需給ギャップが拡大しています。
2021年の国内の茶葉販売量は220万トン程度、輸出量は36.94万トンですから、依然50万トンほどの需給ギャップが存在しています。
中国の茶葉消費量は、2016年以降、年間6~8%程度の伸びで推移していますので、このペースをもう少し早め、一方で供給力の伸びを鈍化させることを狙っています。
需要を増やすもう一つの方法が輸出ですが、中国国内の人件費高騰により、国際競争力の点でますます難しい状況になっています。
”茶文化の輸出”という方針なども聞こえてきていますが、まだまだ勝ちパターンが見えないこともあり、当面は大きな進展は見込めなさそうです。
※統計データは、中商産業研究院の公表データより引用。
次回は4月1日の更新を予定しています。